飛ッ石~Hisseki

日常から生まれた筆跡を、飛び石のように置いて歩いていきます。目的地は不明。

絶妙なバランス感覚で2016

あけましておめでとうございます。

こんなに更新していないにも関わらず、チェックしてくれている方もいるので、今年は頑張ってもうちょい更新頻度を上げていこうと思う。

 

昨年は、ライターの仕事を通してIT業界のトレンドを知る機会が多くて、テクノロジーの進化をすごく感じた。あぁ、もう来るとこまで来てるんだなと。ビッグデータクラウド・IoT・人工知能みたいなキーワードは、もはや当たり前の言葉として扱われている。

 

昨年12月に某イベントで行われたスタートアップのプレゼンバトルを、生中継で見た。優勝したのは、「AgriBus-NAVI」というサービス。これはトラクターによる農薬散布をアシストするもの。

農薬の散布は職人技とも言える非常に難しい作業のようだ。真っ直ぐ等間隔に走らせなければならない。しかも、ちょっとの隙間が空いてしまうと、その隙間から害虫が繁殖するし、逆に重なってしまうと作物がダメになるのだ。この作業をGPSでアシストするというのは、10年前から行われてきたことらしい。ところがそのシステムの導入には非常に高いコストがかかる。それを、専用GPSAndroidタブレットを活用して、月額課金で安価に実現しようとしているのが「AgriBus-NAVI」だ。将来的には、トラクターの自動運転にもつながっていく話だし、もちろんグローバル展開もできそうな話。

 

注目度の高い「農業」という分野と、より進化した「GPS」のシステム。確かに画期的なサービスだろう。だけど、これを見ていて、ふと思った。

 

「これはまさに人間の仕事が奪われている瞬間ではないのか?」

 

単純作業ならまだしも、「職人技」がテクノロジーに取って代わられているわけだ。こういう流れは誰にも止められないし、止める気もないが、ちょっと考えさせられた。農薬散布の腕でブイブイ言わせてた、どこかの農薬散布プロフェッショナルなおっちゃんが、寂しげな目をして自動運転のトラクターを見つめることになるんではないだろうか。

さらに言えば、きっとその職人の技術を学ぼうとする人間も現れないことになる。なんかこれは悲しいことだなと思った。

 

ところがどっこい、ここがまたベンチャー業界の面白いところで、2位になったのは、逆に「職人技」というテーマを中心に据えたサービスだった。2位になったのは縫製マッチングプラットフォーム「nutte」。ファッションアイテム1点から発注が可能で、依頼主と全国の縫製職人とのマッチングをオンラインで実現するものだ。これはまさに「職人」の存在を生かすサービスだと言える。

 

このある意味で真逆の性質を持つ2つのサービスが1位2位になったというのは、非常に興味深い結果だった。他にもすごいサービスがたくさんあったし、プレゼンでのべしゃりも会社によって全然ノリが違って面白かった。

 

2016年は、さらにテクノロジーが加速していくはずだ。VR(バーチャルリアリティ)とか、ロボットとか、本当にいろんなキーワードがあって、それぞれがクロスオーバーしながら進化している。

ぜひとも、「人間の技」と「テクノロジー」というもののバランスを保ちながら発展していってほしいと願う!

 

ということで、今年もよろしくお願いします。

 

 

PEACE‼︎